ⓔノート18-21-8 病理学的多発筋炎 (PM)
病理学的PMは,2004年の分類基準の提唱の時点で,CD8陽性T細胞が非壊死筋線維を包囲し侵入する病理像で特徴づけられる1群として定義された.この病理像を呈する例は筋炎の5%程度とまれである.一方,この病理所見は,封入体筋炎では高頻度でも認める所見である.さらに,現在に至るまで,本病理所見は,まれであるが抗ARS抗体陽性筋やDM,遺伝性を含む他の筋疾患にも認めることが指摘されるようになってきた.このことより,病理学的PM例はオーバーラップ筋炎や封入体筋炎,他の原因の筋疾患に再分類されるとして,現在では病理学的PM群の存在自体に疑問をもつ意見もある1,2).
〔清水 潤〕
■文献
Selva–O’Callaghan A, Pinal–Fernandez I, et al: Classification and management of adult inflammatory myopathies. Lancet Neurol, 2018; 17: 816–828.
Benveniste O, Goebel HH, et al: Biomarkers in inflammatory myopathies-an expanded definition. Front Neurol, 2019; 10: 554.